子どもに本を読んでほしい。大体の人は大なり小なりそう願っていると思います。本を読まないでほしいと子どもに願う人は少数派でしょう。
ではどうすれば子どもが本を読むようになるのか。その答えの一つが「朝の読書」の取り組みだと自分は思っています。先行実践は豊富にあり、自分自身も手応えを感じています。
朝の読書の効果・目的
朝の読書を取り入れることで、子ども達の読書量は増えます。「毎日10分」の積み重ねは想像以上に大きいです。自然と子どもたちの足は学校図書館にも向くようになりますし、家から本を持ってくる子も出てきます。
この朝の読書活動に対する反対意見としては、「前に朝読書やってる学校にいたけど、そんなに効果無かったよ?」という声が上がります。それは恐らく朝の読書の時間が形骸化していたのではないでしょうか。朝の読書の4原則が守られていなかったんじゃないかと思います。
そこで朝の読書について、以下実践方法を紹介します。
朝読書の実践方法と4原則
朝の読書の実践方法はシンプルで、「朝の読書の4原則」をなぞることです。
朝の読書の4原則とは、
- みんなでやる
- 毎日やる
- 好きな本でよい
- ただ読むだけ
というもの。
「みんなでやる」とは、担任も含めた教室の人間全員が本を読むということ。「〇〇くんと□□さんはプリント遅れてるからやりなさい。他のみんなは本読んでて。△△くん話があります、こっちに来なさい」という状態は「みんなでやる」が守られていません。
「毎日やる」が守れない代表的なケースは、1週間の中に朝読書と朝学習が混在してしまっているパターンです。一週間に一日だけ朝の読書で、ほかは国語算数のプリント学習というやり方。現状、学校教育の業界では朝学習を推進する風潮が強く、朝の読書推進にとっては難しい問題です。
「好きな本でよい」とは、大人が子どもの選書を尊重すること。
「ただ読むだけ」とは、朝の読書に対して感想を求めたり評価をしたりしないこと。10分経ったら「はい終わり」。それ以上の何かは求めません。読書記録をつけさせる指導がよくありますが、それも朝の読書では強制しません。
朝の読書推進における司書教諭の役割
このように、朝の読書は4原則を守って初めて教育効果が期待できます。そのために、年度初めに朝の読書の4原則を提案することは司書教諭の大切な仕事だと思います。
Twitterを見ていると、全国の学校司書の方々が様々な工夫をされていることがわかります。子どもたちが学校図書館に通いたくなる工夫です。本のディスプレイや装飾、テーマ展示等々。
その熱量に応える意味でも、司書教諭は「朝の読書の推進」という工夫で学校図書館の利用者を増やしたいものです。司書教諭が朝の読書を計画することで子どもの読書需要を作り、そんな子どもたちが本を求めて訪れる学校図書館では学校司書さんが迎えてくれる。そんな光景が理想かな〜と。
子ども達の読書量を増やしたいとか、読書習慣をつけたい、学校図書館の貸し出し数を数値目標で達成したいとか、その辺を目指す場合「朝の読書」はメリットの多い取り組みです。できる限り行いたい教育活動だと自分は思います。
参考
『朝の読書が奇跡を生んだ』(船橋学園読書教育研究会編著/高文研)
コメント