小学校スキー学習の指導方針【テーマ:楽しさの先入観】

小学校のスキー学習は楽しけりゃいいと思うんです。

もちろん楽しむまでには小さなステップが幾つかありますよ。滑った状態から止まれる、曲がれるようになること。リフトに乗れること。転んだ際に自力で復活して滑り直せること。この辺は習得していく必要があります。

でもね。それらのステップはあくまで手段であり、学習の目的はあくまで「スキーを楽しんでもらうこと」に置きたいんですよ。

初心者用のリフトを使い、初心者用のコースに入り、ゆるい斜面を気楽に滑って風を感じる。そんな時間になることを目標とし、少しでも早くその時間が訪れるよう指導を進めたいです。

キュッと止まれることが目標じゃない。

転んで立てなかったら根性で立つんじゃなくさっさとスキー板を外して履き直せばいい。

初心者コースを直滑降で進み、風を感じてほしい。

ほぼ真っ平らな斜面をゆるりと進みつつ体をあれこれ動かしてみて、体重の移動で進む方向が変わる感覚を味わってほしい。

スキー場は一種の冒険スポットであることを知ってほしい。

スキー授業はそんなスキーの楽しさの伝達を至上命題として行うべきだと思っています。

 

スキー授業は年に数回しかありません。指導する教員も全員がSAJの指導員資格持ってるわけじゃありません。むしろそんな方は超少数派です。

ちょっとスキーが滑れる程度の教員が数回の指導で子どもたちに伝えられること。人生でスキー授業以外は全くスキーをやっていないというような子達に数回の授業で伝えるべきこと。

それは「楽しさの先入観」をもたせることだと思うんですよね。

スキーって楽しいな。たいしたこと教わってないけど、とりあえず上から滑って楽しかったな。仲間とリフトでくだらない話をしたのも思い出だな。

参加した子どもたちにそう思ってもらえたなら、そんな感想を残せたのなら、スキー学習を行った価値はあると思います。

そこが出発点となって、将来その子達はなにかの気まぐれでスキーを始めるかもしれませんから。家に帰って家族に思い出話を語り、それをきっかけにそのうち一家でスキーに出かけるなんてことがあるかもしれませんから。

スキーは楽しい。

そんな「楽しさの先入観」をもたせることが、小学校スキー授業の指導者側の目標だと思っています。

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